二宮隆さんの朗読

眠い町

小川未明

 この少年は、名を知られなかった。私は仮にケーと名づけておきます。
 ケーがこの世界を旅行したことがありました。ある日、彼は不思議な町にきました。この町は「眠い町」という名がついておりました。見ると、なんとなく活気がない。また音ひとつ聞こえてこない寂然とした町であります。また建物のといっては、いずれも古びていて、壊れたところも修繕するではなく、烟ひとつ上がっているのが見えません。それは工場などがひとつもないからでありました。

2014年10月6日

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