青空文庫名作文学の朗読 「夜釣」泉鏡花


青空文庫名作文学の朗読 朗読カフェSTUDIO 西村俊彦朗読「夜釣」泉鏡花

夜釣

泉鏡花
これは、大工、大勝だいかつのおかみさんから聞いた話である。

牛込築土うしごめつくど前の、此の大勝棟梁のうちへ出入りをする、一寸ちょっと使へる、岩次いわじと云つて、女房持、小児こどもの二人あるのが居た。飲む、買ふ、摶ぶつ、道楽は少すこしもないが、たゞ性来の釣好きであつた。
またそれだけに釣がうまい。素人しろとにはむづかしいといふ、鰻釣の糸捌いとさばきは中でも得意で、一晩出掛けると、湿地で蚯蚓みみずを穿ほるほど一かゞりにあげて来る。
「棟梁、二百目が三ぼんだ。」
大勝の台所口へのらりと投込むなぞは珍しくなかつた
青空文庫より

2015年10月7日

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