太宰治・山崎富栄「雨の玉川心中」駒形美英朗読

太宰治・山崎富栄「雨の玉川心中」駒形美英朗読

4.25 May 29, 2018

(注・この遺書は昭和二十二年八月二十九日付となっている)

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鶴巻夫妻宛太宰と富栄連名の遺書

永いあいだ、いろいろと身近く親切にして下さいました。忘れません。おやじにも世話になった。おまえたち夫婦は、商売をはなれて僕たちにつくして下さった。お金のことは石井に

太宰 治

泣いたり笑ったり、みんな御存知のこと、末までおふたりとも御身大切に、あとのこと御ねがいいたします。誰もおねがい申し上げるかたがございません。あちらこちらから、いろいろなおひとが、みえると思いますが、いつものように、おとりなし下さいまし。
このあいだ、拝借しました着物、まだ水洗いもしてございませんの。おゆるし下さいまし、着物と共にありますお薬は、胸の病いによいもので、石井さんから太宰さんがお求めになりましたもの、御使用下さいませ。田舎から父母が上京いたしましたら、どうぞ、よろしくおはなし下さいませ。勝手な願いごと、おゆるし下さいませ。

昭和二十三年六月十三日

富栄
追伸

お部屋に重要なもの、置いてございます。おじさま、奥様、お開けになって、野川さんと御相談下さいまして、暫くのあいだおあずかり下さいまし。それから、父と、姉に、それから、お友達に(ウナ電)お知らせ下さいまし。

2018年7月24日

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